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2017年10月28日土曜日

日本住宅会議会報2017.10号に寄稿しています

「ホームインスペクションと既存住宅の有効活用について」と題して私が執筆した論評4ページを日本住宅会議の会報に掲載いただきました。
建築設計に携わる者として、また住宅診断に携わる者として今後活用が期待される既存住宅にどのように関わっていけばいいのか書いてます。手に取る機会があればぜひご一読ください。
ものすごい名文。




 

2013年9月12日木曜日

滋賀のマンションの現場にて残務

朝から滋賀のマンションの現場。
終わってたんやけど手直し箇所があったのでその立会に。
職人が作業をしてる間、比較的ヒマなので土曜日に予定している定例の勉強会の時刻調整のためメンバーに電話。
 岡本順子さんが多忙のため参加できないのはザンネンだがなんとか開催に漕ぎ着けられそう。
まずは共同で住宅相談会開催にむけて議論する予定です。



帰宅すると注文していた本が届いてました。

350万円で自分の家をつくる

どんな技が使われているのか熟読して研究します。


2013年1月18日金曜日

「ま」


自宅から1kmほどのところに添御県坐神社(そうのみあがたにいますじんじゃ)があります。
とても好きな神社です。




その周辺は古い集落と田んぼが多く、車もあまり来ない落ち着いた環境なので気分転換によく散策に出かけます。
また奈良に住むようになってから休みの日にはこの神社をはじめ奈良県下にたくさんある寺社仏閣や旧跡をよく訪ねるようになりました。


「なぜそこにあるのか」

先日読んだ神社の配置について研究されているこの本はサブタイトルでこう問いかけています。
いや、とてもおもしろい本でした。

神社の系譜 なぜそこにあるのか (光文社新書)
宮元 健次
光文社
売り上げランキング: 212,335

『「八百万の神」と言い表されるように、日本には多様な神が祀られている。元来、神社には神の家である本殿はなく、神奈備あるいは三諸と呼ばれる山や、神籬と呼ばれる木、磐座と呼ばれる石などで祭祀を行い、そこに神が宿ると信じられてきた。いいかえれば、自然そのものに神が融合していた。このような自然=神といった概念は、どこからきたのだろうか。本書は、神社の系譜を考える上で従来はあまり用いられなかった「自然暦」という視点を取り入れ、新たな切り口から神々の系譜について考える。』…本書の紹介文より引用。

冬至・夏至・春分・秋分など太陽の軌跡を基準にして祭祀の対象を配置するという原則があり、日本各地それに沿って神社の配置が決定されている、ということをたくさんの実例を挙げて考察されています。

職業柄、神社などにお参りに行くとついつい個々の建築物の作りがどうなっているか、どんな素材を使っているか、に注目してしまうことが多いです。
 しかし、境内において建築物の配置(つまり建物と建物のあいだの空白の部分)にこそ当時の人の思いが込められ、またこの本が記すようにもっと大きな視点でたくさんある神社群の相関位置関係に当時の都市計画規模での重要な意味が発現したりと大小様々なスケール感で空間構成を見る必要性を示してくれています。

真っ先に目が行きがちな、モノ自体そのものではなく、モノとモノのあいだにある“余白”の部分にこそ意味を見出す日本人独特の「間(ま)」の感覚は古より現代まで脈々と引き継がれているんでしょうね。
この感性はもっと掘り下げて日々の生活空間にも活かせるように大切にしたいと思います。

2013年1月16日水曜日

団地の風景


子供の時、大阪府枚方市の招提団地に住んでいました。
団地での毎日は僕の原風景。



枚方市は大阪のベッドタウンとして大阪万博以降急速に人口の流入が多くなり、府政の下、住宅戸数の確保が急がれ、各地で同じような規格の団地がたくさん建設されていました。
招提団地はそういった物の一つです。

小学生の頃、同じ団地内の友達の家に行くと、自分の家と間取りはまったく同じなのに、部屋の使い方や置いてある家具、窓から見える景色は自分の馴染んでいるものとちがう少し浮遊感にも似た感覚を味わいました。
基本構成はまったく同じ空間なのにその上になされる生活が家ごとにまったくちがうのは(時に家によっては間取りそのものが左右対称だったり…。)子ども心に不思議な差異を感じる空間体験として今でも心に強く残っています。

当時建設された団地は「質より量」という側面があり、快適さの優先度は少し見劣りしがちなのですが、建設費用の経済性やより空間を効率的に使うという観点においてある種極まった優れた設計がなされています。
30年以上の時間を経て当時の生活を思い出してみると今現在住まいに求められている「身の丈に合わせてシンプルに、コンパクトに、住む」というニーズにぴったり当てはまる部分もたくさんあり、建築を設計する上でそこから学びとれることも多いです。

世界一美しい団地図鑑 (エクスナレッジムック)
内田 青蔵
エクスナレッジ
売り上げランキング: 176,557

…そんなことを頭のどこかに置きっぱなしにしていたまま、偶然本屋で見かけたので衝動的にこの「世界一美しい団地図鑑」を買い求めました。
団地の先駆、1927年の「同潤会代官山アパート」から今をときめく最先端の建築家がよってたかって設計した2005年の「東雲キャナルコートCODAN」まで実例の紹介による「団地」の歴史、すなわち昭和から平成にかけての日本人の家に対する考え方の変遷が郷愁もただよう写真含めて心に染みます。
ここ数十年の集合住宅の歴史においてエレベータによる縦方向移動の利便性アップと空調設置が主流になる以前と以後で、まったく平面計画が変化しています。
エレベータや空調設備による利便性の確保は、各住戸の基本的な自然通風や採光を損なう一面もあり必ずしも生活空間の質の底上げに結びついていないことは大きな発見でした。

またこの本は日本各地の代表的な団地住戸の間取り図実例やきれいな写真も多く掲載されていています。
そのため一戸建て住宅のプランを練る際にもなるべくお金をかけないように贅肉をそぎ落としてシンプルかつコンパクトで最大限広さを感じられる家をつくるためのヒントがたくさん読み取れます。
建物の基本的な構成を安価でコンパクトにすることが出来れば小さな敷地でのいわゆる狭小住宅の建築や、窓をより大きくして外光・通風をたくさん取り入れたり、家具に予算を多く割り振ったり、手触りの良い上質な壁素材を使ったりと家を作っていく上で選択の幅を広げることにつながります。

団地に縁のなかった方でも”家をつくりたい”と考えるすべての人のためになる良い本です。